試乗レポート 第63回 BMW X5 3.0i 取材・文:Car News Net
―INDEX― ・「必要十分」なオフロード性能 ・エンジンの軽さがハンドリングに好影響 ・あちらを立てればこちらが立たず……「X5のジレンマ」 ・総括・ボクなら3.0iをチョイス
日下部保雄の達人インプレッション
2000年秋から日本にも導入されているBMW X5に、M54型・6気筒3リッターエンジンを搭載する「3.0i」が追加された(右ハンドル・5速AT・価格635万円)。 カテゴリーとしてはいわゆるSUVであるが、通常のSUVとはちょっとキャラクターが異なる。オンロードにおける性能がかなり重視され、サーキットもしっかり走れてしまうほどなのだ。そこで今回は、あえてヘビーデューティークロカンがよく似合う修善寺のモビリティパークや伊豆スカイライン周辺を選び、SUVとしてのポテンシャルをチェックする。 関連記事: 試乗レポート 第43回 BMW X5
→拡大 →拡大 →拡大 ※1…ダイナミック・スタビリティー・コントロール:ホイール回転、ステアリングの動き、走行状態などを常にモニターしエンジン出力をコントロールして必要に応じて個々のホイールにブレーキを作動させるデバイス ※2…ヒル・ディセント・コントロール:急な坂道を下る場合ドライバーがブレーキ操作をしなくても、自動的にABSを作動させてブレーキ制御を行うデバイス
「必要十分」なオフロード性能
デビュー以来、生産国アメリカでも爆発的な人気を博しているX5。ターゲットは“BMW”というブランドのSUVが欲しかったという人で、彼らの熱烈な支持によって高価なクルマながらけっこう売れているらしい。 BMWではこのクルマを「SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)」という独自の呼び方をしている。これは先に述べたとおり、オンロードでの性能を重視したキャラクターによるもの。もともと欧米のSUVはあまりガチガチのヘビーさを求められていない傾向にあり、BMWのネームバリューに加えこういったヨーロッパ的インテリジェンスがウケているようだ。 そういうX5にとって、泥濘でかなり滑りやすい路面のモビリティパークはかなり厳しい条件だろう。X5は、どちらかというとかなりオンロード志向で、それでかつ悪路も走れてしまうという位置付け。つまり2WDではなかなか走れないようなところも一応ちゃんと走れますよというもので、本格的な“ギッコンバッタン”というのはちょっとキツイはずだ。 しかしいざ走らせてみると、DSC(※1)やHDC(※2)を作動させながら、かなりの走破力を見せてくれた。 もともとハードなシステムではなく、ブレーキを使いながらコントロールしているものであるため、やはり直結4WDのヘビーデューティークロカンには及ばない。結果的にはデフロックにもなるけれど少々のタイムラグがあるし、またBMWはオンロード志向のタイヤを履いているので、泥濘地ではやや方向性が乱れたり、トラクションが落ちたりすることもある。 だが坂路を登れることは登れるし、急な坂も難なく降りられることがわかった。このクルマに想定された使用範囲からみれば十分なものといえよう。 …オンロード性能含め、4.4リッターとの違いを探る <次のページへ>