試乗レポート 第241回  ホンダ・ゼスト




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インプレッション by 日下部 保雄

 ホンダからゼストが発売された。ゼストはパーソナルな使い方から家族での使い方まで幅広い用途を目的に開発され、広々とした室内空間と低床で大開口の荷室を確保している。また、安全性能としては軽自動車初の前後席対応サイドカーテンエアバッグシステムやコンパティビリティ対応ボディを採用している。価格はGが109.9万円、Wが122.8万円。


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ホンダが本腰を入れた軽自動車

 ホンダは最近社長が軽自動車もしっかりやると明言したが、一時は軽自動車から撤退かという話もあった。そんな状況下、登場してきたのがホンダゼストだ。

 ホンダは本来ライフなどの売れ線の車を持ってはいるが、OEM供給されている日産の軽自動車がかなり売れてることによる危機感からゼストを登場させたともいえるだろう。

 ゼストは低床で、しかも全高を高くとるという現在のホンダのトレンドにのっている。ホンダは床を低くすることにより重心を低くし、乗降性も良くしている。それにもましてゼストは全高が高い車になっているので意外な感じだ。これは他のライバル車の傾向を見ても、あまり全高が低い車は立派に見えないというのもあり、高くしているのだろう。

 実際の居住性という面ではヘッドクリアランスは高く、ダイハツのタントなどとくらべてもかなり広い空間が確保されている。デッドスペース的な意味もあるのではないかと思うので、個人的にはもう少し低いほうが使いやすいのではないかと思う。

 驚いたのはとにかくエンジンが静かで振動が少ない。新しい3気筒なのだが、実に静かで小型車並の静粛性を誇っている。またエンジン振動も非常に優れている。

 走り出しに関してはターボチャージャーはもともと重量が重くなっているので、マイルドターボ的な味付けでちょっと排気量が大きく、リッターカークラスのような走りになっている。オートマチックは電子制御の4速オートマチックで、通常の走行ではかなり満足がいくものになっている。

 ボディ剛性もかなり満足度は高く、前後のねじれ剛性その他なども軽自動車としてはレベルが高い設計になっていると思う。

 走りについて言えば、もちろん高速での安定感は軽自動車として限界があるとは思うのだが、もう少し直進安定性があってもいいかと思う。このへんはワンダリング的な傾向があるので、もう少しシャッキリと落ち着いた味にしてほしい。EPSの影響も若干あるのかなという感じはする。

 コーナリングはややアンダーステアで腰砕け感が強い。いくら低重心だとはいえ、やはり全高がこれだけ高いと、この車に影響を及ぼしてる気がする。

 足はターボとNAではセッティングが違って、ターボのほうが固めになっているのだが、ゼストのターボは相当足が固い。リアからの突き上げ感が非常に高く、この辺はもう少しマイルドなほうがありがたい。

 ではNAは柔らかいかというと、基本的なリアの突き上げ感はそれほど変わらないので、こういう点はもう少し改善が望まれる。但し室内の質感とかドアの開閉音などは相当気を配っていて、小型車から乗り換えてもそんなに遜色は無い。

 インテリアもデザインがキッチリされているので、かなり質感が高い。操作系も非常に使いやすク、グローブボックスもいろいろ配慮されており、小物入れには困らない。

 室内高が高いという点においては、全高が1340mmもあるのでなんと植木なども載せてしまうことが出来る。

 リアシートは簡単に2クッションでフラットにすることができるので大きな荷物を収納するのには大変便利。通学自転車などを載せることも簡単に出来る。また、床から530mmにテールゲートの最下端があり、開口部が非常に大きいので大きな荷物でも楽に積みこむことが出来る。今物騒なので子供の送り迎えなどにも配慮されている。

 軽自動車というと安全に不安を持つ人も多いと思うが、サイドカーテンエアバックやエアバックを標準装備することによってかなり安全度は高くなっている。

 コンパティビリティー対応ボディは車相互の衝突時に自己保護性能を大幅に向上させながら相手車両への攻撃性も低減させるシステムで、大型車との衝突時にもある程度の生存空間は確保出来ているといえる。

 リアシートはレッグルームという点では全く心配はいらない。もちろん大きなシートでは無いが十分座ることが出来る。4人乗車しても十分な感じがする。

 ゼストはホンダとしてもかなり力が入った軽になっている。FF車の"W"は結構上級モデルだが、これで122万8000円、"G"で109万と100万オーバーの車にはなってしまうが、それなりのポテンシャルを持っている。もちろん四輪駆動もある。

 ワゴンRやムーヴ、それからMRワゴン、そういった車に対するホンダのインターセプターが、このゼストになるかと思う。





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