試乗レポート 第239回  トヨタ・エスティマ




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インプレッション by 日下部 保雄

 3代目エスティマは"CUTTING EDGE"、"OPEN"、"VELVET"の3つのキーワードをコンセプトに開発された。スタイルは従来を踏襲しながらも細部にわたって洗練、質感もグレードアップされた。また、見た目だけではなく、シンプルでありながら基本性能をさらに高く磨き、2.4リッターでは軽快に、3.5リッターでは力強い走りを実現している。価格は2.4リッターGが304.5万円、3.5リッターGが340.2万円。


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目指したのは日本の道具の美しさ

エスティマが登場したのは1990年。その時はミッドシップをベースとした新しいミニバン市場を作り、2000年の2代目に引き継がれた。

 2代目のエスティマはFFとなり、カムリのプラットフォームを使って非常にスタイリッシュなミニバンを作り上げ大好評を博した。他のミニバンに対して独特のポジションを持ったことにより、今だに人気は高い。

 3代目のエスティマは2代目のスタイルを踏襲しながら、さらにきめ細かさや全体のツメと質感の向上を持ったミニバンとなっている。

 心地よさ、滑らかさ、日本の道具の美しさをテーマに作った。日本の道具の美しさといえば研ぎ澄まされた基本性能の高さというイメージがあるが、それを車に反映している。コンセプトとしては"CUTTING EDGE"先進的なスタイル、"OPEN"開放的かつ機能的なインテリア、"VELVET"リニアな運動性能と滑らかな走行性能という3つのキーワードを掲げている。

 従来のエスティマに比べて全長では15mm長く全幅では10mm幅が広くなって1,800mmに。全高は逆に40mm低くなっている。なおかつホイールベースは50mm延長され2,950mmとかなり長く、室内も非常に広くなっている。

 エンジンは2.4リッターの従来の4気筒エンジンと3.5リッターがあり、3.5リッターのV6エンジンはクラウンやGSで使ったものだが、これから直接噴射の部分を除いて間接噴射のみにしたエンジンで、2GR−FEエンジンというエンジンを搭載している。ラインナップのトップグレードは大きなエンジンを搭載しているが、売れ線は2.4リッターだろう。

 室内はいろいろ工夫をこらしていて、質感も相当上がっている。従来のエスティマは3列目のシートが畳めなくて、荷物は搭載できると言いながらも不便な部分があったが、今回のエスティマは床下に綺麗に収まる。

 また上級バージョンでは電動で簡単に収めることができる。さらに8人乗りでは2列目のシートをチップアップして前にフルスライドすることによって、相当大きなスペースを確保することができる。7人乗りのキャプテンシートの2列目は800mmスライドすることが出来て、3列目のシートを格納するとほとんど横になってベッドになるくらいの広さを作ることが出来るのも魅力だ。

3.5リッターエンジンは280PSでトルクは35kg-m。全域でトルクは上がっているが、特に高回転域のトルクが向上しており、相当ズッシリした走りが出来る。かなり速い車になっていて、これでフル乗車したとしても、かなりの坂などもガンガン走っていくことが出来る余裕がある。

 ハンドリングも従来のものに比べると相当上がっている。3代目のステアリングは電動パワステなのだが、従来のサブフレームから少し変更して、実はフロント部分はRAV4から使われる新規のプラットフォームを採用しているということで、かなりステアリング系の剛性もあり、それに伴い旋回性能も上がっている。オデッセイは相当ハンドリングがいいと言われているが、トヨタ側ではそれを凌ぐハンドリングを実現したとコメントしている。

 もちろん低排出レベルは★★★★レベル。グリーン税制に適応する。

 トランスミッションは6速のトランスミッション。これは横置きのトランスミッションなので、コンパクトかつ軽量になっているというのがこのエスティマの3.5リッターだ。乗り味としては若干固め。音は相当静かで、フロントシートでは大変満足がいく。だんだん後席にいくにつれて音は大きくなってくるのだが、それでも十分な静粛性は保っている。

 特に加速時の音は抑えられていて、遮音性能も上がっている。2.4リッターエンジンもバランス系を中心にうまくまとめており、従来の2.4リッターよりも、かなり静粛性、振動性、加速時の騒音は抑えられている。 実に軽快で良く走るので、自分の好みで言えば2.4リッターのほうが気に入っている。全体に乗り心地も17インチ系含めて、18インチはアエラスのSパッケージになるが、これも含めて乗り心地的にはフロントシートにいれば不快は全く無い。

 セカンドサーバになると、どうしても若干の振動は出てくるが、従来に比べればかなりレベルが高いものになっている。2.4リッターの2Zは170PSということでこちらも十分なパフォーマンスを発揮できると思う。 トランスミッションはCVT、マニュアルのシーケンシャル7速を持つスーパーCVTだ。

 これはRAV4などに搭載されていたものでエスティマとも非常にマッチングが良い。とくに繋ぎが早くて良く、電子CVT特有のノイズ感というものがよく押さえられている。電動パワステも良く出来ており、コラムタイプなのだが、油圧に近いフィーリングを持っており、かなりお勧めのステアリング系、トランスミッション系だ。 6速の3.5リッターとの組み合わせもいいがこちらも魅力。

 全体の軽快感は2.4リッター、パワーを求めるなら3.5リッター。これにまだ4駆があり、かなり従来のエスティマに乗ってたユーザーにも心動かされるものがあるのではないかと思われる。


 因みに、S-VSCというシステムが搭載されており、これは電動パワステとブレーキ制御、駆動力制御を協調させることにより車両の挙動が安定するようにアシストするシステムだ。これはトヨタで言うところのVDIMなのだが、VDIMは前後を統合するシステムなのに対し、こちらは個別に制御するというシステムで、きわめてVDIMに近い高度な姿勢安定制御がオプションで選べるようになっている。 プリクラッシュセイフティーもオプションで選べるし、その他にも豊富に選べるオプションが揃っている。かなり食指の動かされる車だ。

 
ちなみにハイブリッドは登場していない。ハイブリッドは夏になるらしく、こちらも楽しみだ。


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