試乗レポート 第219回  フォルクスワーゲン・ゴルフGTI




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インプレッション by 日下部 保雄

 5世代目となる新型ゴルフGTIが日本でも発売された。「GTI is back.」をキャッチコピーに、初代ゴルフGTIのコンセプトである「スポーツ性と快適性の両立」を継承しながら歴代モデル最強のパフォーマンスを目指し開発。エンジンは新開発の2リッター直噴ターボを搭載。最高出力200ps、最大トルク28.6kgmを発揮する。トランスミッションには6速MTと、革新的2ペダルMTであるギアボックス6DSGが用意される。さらに、専用スポーツサスペンションなどにより、より高い走行性能を実現している。エクステリアは歴代GTIにおいて初めてとなる専用のフロントデザインが与えられ、アグレッシブなイメージを演出。インテリアにもGTI専用スポーツシート、専用メータークラスター、専用ステアリングホイールなどを採用し、他のゴルフと明確な差別化が図られている。価格325万5000円(6速MT)〜336万円(DSG)。


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高性能と経済性が特徴の2リッター直噴エンジンFSIをベースにターボ化した2.0 T−FSIを搭載。147kW(200ps)/280Nm(28.6kgm)というターボエンジンならではのパフォーマンスと、1800〜5000回転で最大トルクを発生する非常にフラットなトルク特性を持つ。



トランスミッションは、6速MTと、フォルクスワーゲンが開発した革新的な次世代トランスミッションである6速DSGを設定。DSGはマニュアルギアボックスならではの優れた動力伝達効率を持ち、ダイレクトなシフトフィールと、オートマチックギアボックスならではの扱いやすさと快適性を高いレベルで両立。構造的には2組のクラッチとギアセットを並列に組み込み、クラッチ操作やギアシフトを電子制御化したもの。素早い変速が可能となり、変速時にトルクの中断がないスムーズな走りを実現する。



ゴルフで高い評価を得ているフロントのマクファーソンストラットとリアの4リンクをベースに、通常より25mmローダウンし、GTI専用にチューニングしたスポーツサスペンションは、スプリングやダンパーを固め、リアスタビライザーの剛性を20%アップ。また、17インチの専用アルミホイールと、16インチにサイズアップしたブレーキシステムを採用。高速スタビリティの高さと、回頭性に優れたニュートラルなハンドリングの両立を目指したシャシーが、GTIに相応しいスポーティで快適な乗り心地を実現する。



専用のメータークラスター、アルミのGTIロゴプレート付き専用レザー3本スポークステアリングホイール、アルミペダルクラスターや、ブラックルーフライナーなど、他のゴルフと差別化し、インテリアでもスポーティさを表現。GTI専用のスポーツシートは、初代GTIを彷彿させる赤と白のラインによるチェックのファブリックパターンを採用。 オプションでレザーシートも設定。






スポーティな走りと高い実用性が魅力

 GTIはゴルフのスポーツハッチバックのルーツであり、世界中にスポーツハッチバックというものを広めたのがGTIである。

 GTIが最初に登場したのは1976年であり、古い歴史を持っている。以来、GTIは一種の伝説となった。

  日本で初めてGTIが登場したのは、2代目となる1985年だった。日本においてもこのクルマのスポーツ性と実用性が受け入れられ、多くのファンを持っていた。

  今回、第5世代目となるGTIは、初代GTIのコンセプトでもあった「スポーツ性と快適性の両立」を追求している。 ディメンションは全長4225mm、全幅1760mm、全高1460mm、ホイールベース2575mm、最低地上高115mmと、かなりローダウンされている。

 車両重量は1460kg(DSG)であり、決して軽いほうではないが、ボディサイズからすると妥当なところだろう。 最小回転半径は5mということで、取り回しに苦労することもないはずだ。

 現行ゴルフ自体がハッチバックとしては大きくなったが、GTIはさらにハニカム構造を持つ専用のフロントマスクを持ち、強烈なイメージを与えるものとなっている。

  エンジンは2リッター直噴FSIターボエンジンを搭載し、トランスミッションは6速MTと、画期的なギアボックスであるDSGが選択できる。 エンジンスペックは、最高出力200ps、最大トルク28.0kgmという、ターボエンジンの独特のパフォーマンスを持っている。

 しかもドッカンターボではなく、1800回転から5000回転まで最大トルクを発生するというフラットな特性となっているので、非常に使いやすい。 その気になればホイールスピンするくらいのパフォーマンスを常に発揮し、スポーティ志向の強いユーザーでも満足できるだろう。

  新世代トランスミッションのDSGは、マニュアルギアボックスに対して2組のクラッチを持っており、操作性などトルコン付きオートマチックとほとんど同じレベルにある。 100分の3〜4秒という非常に素早い変速が可能であり、他社のセミオートマチックとは一線を画する。

 通常のクラッチ操作によるシフトチェンジのようなシフトアップの時のタイムラグ感がほとんどない。変速時のトルクの落ち込みがないため非常にスムーズな走りができ、トルコンとほぼ変わらない加速感が期待できる。

  もちろん、いわゆるシーケンシャルタイプのマニュアル操作によってシフトアップ&ダウンしていくこともできる。ただし、AUTOモードで走ると自動的にシフトアップするが、マニュアルモードでもリミッターに当たったときなど、ある回転数で自動的にシフトアップするという性質を持っている。

 DSGの特徴として、ごく最初の走り出しは、どうしてもトルコンのようなトルク感に乏しい。少しアクセルを踏み込み気味にすると、やや飛び出し感のある走り方となってしまうのは残念だ。

  ちなみに、最高速は6速MT車で235km/hと、非常に高い。 10・15モード燃費は、DSGが12.6km/L、6速MTが13.0km/L。燃費的にも優れる、画期的なエンジンとトランスミッションであるといえる。

 すでに標準グレードのゴルフでも評価の高い、フロント・ストラットと、リア・マルチリンクのサスペンションは、通常よりも25mmローダウンされたGTI専用のスポーツサスペンションが装備される。

 スタビライザーの剛性も20%アップされている。 さらに、17インチのタイヤ&ホイールと16インチサイズのブレーキシステムがおごられる。

  回答性は非常にニュートラルで素直なハンドリングを持っており、いかにもGTIらしい。少しのロールを伴いながらシャープに曲がっていくというキビキビ感を持っている。

 乗り心地は非常に快適で、硬いという印象はほとんどない。よくダンピングの効いた、しつけの行き届いたサスペンションだ。同時にハンドリングも非常に優れているので、2つの相反する要素を高いレベルで両立している。

  日本に導入されているのは4ドアモデルだけだが、リアドアの開閉度は非常に高く、リアシートの居住性もかなり高いといえる。

  パドルシフトについては、2006年以降のモデルについて導入となっている。 また、DSGは重量が重い、コストが高いなどという問題はあるにしても、画期的であることには変わりない。

 今後このようなトランスミッションは、さらに増えていくものと思われる。 最新のメカニズムを満載し、その恩恵で非常にスポーティな走りを実現するとともに、なおかつ実用性も高いところが、ゴルフGTIの大きな魅力である。


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