試乗レポート 第163回 マツダ・RX-8
MT車のシフトノブはローターをモチーフとしている。 13B-MSPは、ハイパワーユニットが最高出力184kW[250ps]/8500rpm、最大トルク216Nm[22.0kgm]/5500rpm、スタンダードユニットが最高出力154kW[210ps]/7200rpm、最大トルク222Nm[22.6kgm]/5000rpmというスペック。
250psエンジンにはトルクの盛り上がりがほしい
6速MTは、シフトフィールのセンタリングが若干まずくて、しっかり入ることには違いないが、もう少し操作感が軽ければもっと良いという感じだ。6速のギアのステップ比もまずまずで、洗練されていると印象だ。 250psのエンジンパフォーマンスは非常に高いが、高回転まで回そうとしており、実際9000rpmぐらいまで回るが、そういう高い回転域でのトルクの落ちも含めて、あまり現実的な数字ではないという気がする。サーキットなどではもちろんこれは有効だが、街中などではもう少しショートな回転レンジで、もっとトルクの山があったほうがいいだろう。 エンジン自体はトルクが直線的に立ち上がっていく感じで、しかもレスポンス良くて本当に気持ちいいフィーリングだが、あえていえばそういう中間域のトルクも盛り上がりは、今後の課題のひとつだろう。そんなところを利用して走るのが、クルマを運手すること自体の楽しみであったりするものだ。 また微低速回転域でのクラッチミートは、ややエンジンのトルクの立ち上がりが遅いので、スタートでちょっと厳しいところが見受けられた。 乗り心地はATと同様に素晴らしい。 操舵性はATよりもこちらのほうがかなりシャープで、クイックにどんどん曲がっていく印象だ。フロントがしっかり入っていって、リアがそれに続いてグリップしているので、リアのグリップが低くてトータルで曲がろうということではなく、全体のグリップが非常に高い中で、フロントの効きがさらにあるという印象だ。
RX-8は、ドライブフィールはスポーツカーだが、精神的にはGTカーに近く、乗る人もおそらくそういう受け止め方するのではないだろうか。 スポーツカーのように過敏なカミソリのような味ではないが、これはこれで機敏な、いわば日本刀のような切れ味を持ったクルマに仕上がっている。