試乗レポート 第163回  マツダ・RX-8


AT車は、1日も早く5速になってほしい

 まず4速ATモデルについてみていこう。250psモデルは6速MTしか設定されていないが、210psモデルは5速MTと4速ATが用意されている。
 250psモデルと210psモデルでは当然エンジン特性が変わっていて、どちらかというと210psのほうが高回転まで回していない分だけトルクの盛り上がり感が若干高い。ATとの相性も含めて、これはこれでおすすめのグレードとエンジンパワーの組み合わせだ。  



ステアリングシフトスイッチを備える4速AT(アクティブマチック)。シフトダウンはステアリングスポーク上部のスイッチを押し、シフトアップはステアリングスポーク下部に伸びるレバーを手前に引く方式。シフトゲートのほうも、押して「−」、引いて「+」となっている。


大きな開口部を持つ観音開き式のフリースタイルドアを採用。


リアシートの居住性は意外なほど良好。


独立したトランクルームを持ち、スペアタイヤのかわりに応急パンク修理セットを搭載。容量は約290リッター(VDA方式)で、ゴルフバッグもしくはスーツケースをふたつ収納できるスペースを誇る。


スポーツサスペンション仕様車はタイヤサイズが225/45R18、フロントブレーキが大径17インチ型となり、スタンダードサスペンション仕様車ではそれぞれ225/55R16、16インチ型となる。

 

 エンジンパフォーマンスは、210psバージョンは使いやすいエンジン特性で、もっとパワーを求めればきりがないが、これは使いやすく、街中での実用性も高い。また、RENESISは従来のロータリーエンジンに比べてレスポンスが非常に良くなっているので、とてもシャープな吹け上がり感を持っている、
 ATは5速でなく4速なのが残念だが、このあたりのステップアップというのは今後に期待したい。やはりこのくらいのパフォーマンスだったら、5速ATはスポーツカーとして是非、持っていて欲しいところだ。

 ATはフロアセレクターとステアリングのパドルセレクターでマニュアル操作が可能。両方にセレクターが装備されている。コンソールのシフトレバーでもできるが、F1マシンのようにステアリングの裏側にあるパドルの操作で、実に簡単にシフトアップ&ダウンをすることができる。
 ただ4速ではできることも限られているので、それも含めて5速ATが欲しいところ。実際はシフトの変速ショックは大きくないし、従来のホールドモードと違って現実的だ。

 ハンドリングは、ATモデルはステアリングを切ってから実際にタイヤがグリップしてクルマがインに向かっていくという、一連のリニアリティの操舵の流れでは、スタンダードの16インチがナチュラルだ。
 18インチタイヤのほうはややリニアリティが若干落ちる印象である。タイヤ構造的なものから来ている印象もあり、どこかで対策する必要があるかもしれない。

 実際には不具合はないが、例えばハイスピードでの下り坂、フロント荷重になって、ステアリングをパンと切ったときなどに前述の現象が出ることがある。ハンドル操作に対して異相遅れ気味となり、インへ巻き込み感のあるクルマの動きだ。ただこれは常時顔を出すわけではなく、たまに条件が重なるとこういう形の現象が起こる程度のものである。
 一般的には非常にスポーティなハンドリングということで済んでしまい、この領域に入ることはあまりないはずだ。

 乗り心地は非常にマイルドで、18インチタイヤを履くモデルでもドタバタ感がまったくなく、驚異的に良い。また全体のドラミング(室内に入るこもり音のようなドラムを叩いたような音)も非常に少なくなっていて、ラグナセカで試乗したプロトタイプからチューニングされていた。
 それから乗り心地自体も、下からの突き上げ感や、荒れた路面を走破したときの収束性など、いずれも非常に優れていて、とても気持ち良く走れる。非常に快適なので、他の4ドアスポーツセダンに比してもまったく遜色ない居住性を持っている。

 リアシートは、もちろん"ゆったり"というものではないが、ちゃんとふたり乗れて、ツーリングするには別に不自由はないだろう。ただリアサイドウインドウが小さいので、ずっと座っていると閉塞感があるのと、シート自体がバケット状で、そこに落としこまれる感じなので、ちょっと飽きてしまう。

 ブレーキは非常にリニアリティがあってよく効いてくれる。クルマ自体がそれほど軽いクルマではないが、ブレーキフィールは意外としっかりしており、まったく問題ない。

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