試乗レポート 第145回 マツダ・RX-8(プロトタイプ)
インテリアは、ドライビングシュミレーターの評価に基づいて、各機器の形状やレイアウトを人間工学的に定量化。運転操作系のフィーリングの洗練も図られている。 フロントシートは、様々な特性のクッションとバックレストの体圧分布を測定するとともに、多様な体格のドライバーによる長時間のテスト走行を実施。快適でかつスポーツドライビングに対応したシート設計となっている。 センターピラーレス構造とフリースタイルドアにより、独創の4ドア4シーターパッケージを実現。スポーツセダンに匹敵する大人4人のための前後席の居住性を実現している。リアドアはフロントドアを開けた上で開閉できる構造となっている。
パッケージングも新しい
またもうひとつ、乗り心地がとても良いことが挙げられる。日本のスポーツカーはハードな、つまり固い乗り味のものが多かったが、RX-8は、段差乗り越しやうねりなどでも収束がとても良く、ロングホイールベースと共にしなやかなアシになっている。もちろんソフトではないが、なかなか収束が高い。スポーツカーらしく、しかも快適な居住性を持っている。操安性と乗り心地のバランスは非常に高いレベルでまとめられている。 パワーステアリングは電動パワステだが、フィーリングは良い。切り始めのほんのわずかなところだけイナーシャを感じるが、ダイレクト感はなかなか見事なものだ。 注目の4ドアによるパッケージングだが、センターピラーがないので、リアドアを含めてドア回りがかなり補強してあり、それがセンターピラーの代わりをするというようになっている。したがって側突対応などでもピラードアと変わらないか、むしろそれよりも高いくらいの側突安全性を持っている。 後席の乗降性はかなりよくて、ピラードアだとちょっと考えられないくらいアクセスは良好だ。そのリアシートはちゃんと大人が足を伸ばして座れるし、シートもバケット形状をしているが、無理な形をしておらず、すんなりと座っていられる。シートクッションはそれほど厚くないが、非常に快適に座れるので、見た目以上に本格的な4シーターでロングドライブも苦にならない。 ただ後ろに座ると窓が小さいので閉塞感はある。またドアを閉められると後ろからドアを空けることはできないのが、万一の場合の脱出を考えるとちょっと不安だ。エマージェンシーの場合だけ開くようなドアノブが欲しい。 全体的なデザインは、けっこう好みが分かれるところだと思う。また『RX-EVOLVE』としてデビューしてからすでに2年が経ったので、新鮮味には乏しいがスポーツカーでもあり、乗用車でもあるという、なかなか面白いデザインだと思う。 ホイールベースは2700mmと長いが、スポーツライクにシャキッと動くし、4人ちゃんと乗れ、トランクもけっこう容量があって利便性が高い。新しいカテゴリーのスポーツカーの誕生である。
日本では今、ミニバン系が主流になっているが、ちょっと前までスポーツカーに乗っていたが、またもう一度乗りたいとか、家族のために2シータースポーツを諦めていた人には4人乗れるので、可能性もある。 アメリカでも今、相当予約が入っており、ヨーロッパはこれから。 インプレッションはとにかく乗っていて楽しかったし、よくできたクルマだと思う。 今後まだ量産までに、例えば操安性や乗り心地など、いろいろな意味のブラッシュアップされてくるだろうし、発売が待たれるクルマである。